今年も、丹誠込めた富有柿が見事に色づきました。柿入り豚汁のふるまいなど毎年趣向をこらした柿祭り。今年は、旅行券もあたるジャンボ柿の重さあてで大賑わい。標準の柿の3倍はあろうかという「太秋」という品種の柿ですが、さてさて何グラム?秋狩りに来た子供たちも一生懸命、考えていました。まだまだ、いろんな楽しみがいっぱいの右田果樹園。秋の一日、ご家族で、どうぞゆっくりと柿狩りをお楽しみください。
静かに物語る元山の古木
時代を見つめてきた
樹齢350年の元山
右田家の玄関横で悠々とした姿を魅せるのは、樹齢350年の「元山」の老木です。山苞の道は江戸時代に久留米有馬藩城下町と天領日田を結んだ往環道。「時には有馬の殿様が前を通って食べたかもしれません。」という園主の右田英訓さん。じっとこの地で時代の変遷を、見てきた元山の木は、柿の産地田主丸のシンボルであり、右田家の家宝です。
観光柿狩り半世紀の
歴史を刻む
発祥の地
畑の中にも樹齢80年の柿の木があり、よく見ると幹周りに接ぎ木の跡が見られます。岐阜から持ち帰った富有柿の枝を田主丸の苗木職人が接いで育てたのが始まりという、田主丸が富有柿の産地となったまさに原点。さらに英訓さんの父正雄さんは、観光柿狩りを町で始めた最初の人物。お客さんに産地に足を運んでもらうという逆転の発想だったフルーツ狩りは、ここから始まったのです。(詳しくは「田主丸はフルーツ狩り発祥の地」をご覧下さい)
樹齢80年の柿の木
賑わう柿の花の風景
白く可憐な柿の花も
見て欲しい
園の入り口に休憩スペースにつけられた名前は「柿の花」。春はエメラルド色に輝く柿若葉、剪定や摘蕾(てきらい・蕾の間引き)、摘果(若い実の間引き)の作業風景、柿狩りの季節と柿紅葉、そして冬の皮はぎの作業と柿畑には四季折々の美しい風景があります。5月に咲く白く可憐な柿の花といった農の風景も見て欲しい、という右田夫妻の思いからついた名前です。枝なりの完熟柿を冷凍した丸ごとシャーベットが人気。小物や無農薬栽培米の販売などもあります。
子どもたちに収穫の喜びを
伝えたい
西村、伊豆、松本といった9月から始まる早生品種、そして甘柿の王様冨有柿を栽培する広々とした園はバリアフリーで、年配の方も楽に柿狩りができます。毎年多くの小学校も訪れ、美しく大玉の柿を大事そうに抱いてもどってきた子どもたちは、試食の柿を物の見事に完食してくれるとか。収穫の喜びと食べ物への感謝の気持ちを、年間何百人という子供たちが、体験していきます。丹精こめた柿の美しさと甘さ、それをつくる農の風景を多くの人に伝え続ける右田さんご夫妻。柿の産地田主丸の原点ともいえる、歴史に名を馳せる園です。
注文がひきもきらない富有柿