みかん狩りと柿狩りが同時にできる園は、福岡でもそうないはず。ここ吉祥園は、そんな贅沢な時間を楽しめる園です。蜂の足跡のついたみかんは、傷があり、見かけは悪いけれど、減農薬栽培の証。酸味と甘みがほどよい味わいも人気で、連日、遠方からの観光バスがやってきます。そんな吉祥園では、今年から原木しいたけ狩りもできるようになりました。まさに、楽しみは三倍。これから紅葉もますます美しくなる山辺で、ゆっくりと時間をお過ごしください。
みかん狩りキャンペーンボーイ、
ミッチーくん
樹齢40年のみかん畑
蜜柑の名産地の
記憶を受け継いで
田主丸で最も高い処に位置する観光蜜柑狩り園の吉祥園。柿狩りとWでフルーツ狩りを楽しめる絶景の名所です。吉祥園が位置する水縄地区は明治時代に「水縄蜜柑」で名を馳せた蜜柑の名産地。祖父が育てていた蜜柑畑の記憶を受け継ぎ、戦後、減反政策でみかんの木のほとんどが切り倒されてゆく中、田主丸で唯一、蜜柑畑を守り抜いたのが、園主の南武さんと父の一治さんでした。
蜜蜂の足跡付きは
減農薬の証
畑には樹齢40年の蜜柑の木が並んでいます。密植し、枝の剪定によって低く仕立て、蜜柑狩りしやすいのも人気の秘密。よくみると皮にキズがついていますが、これは、花の蜜を吸ってミツバチの足跡。まだ実が小さい時についた足跡が実の成長につれ大きくなるのだとか。これも、ひとつの減農薬の証。そのことをお話しているうち、見栄えよりも味と安全と納得して来て下さる常連さんが口コミで広がりました。
蜂の足跡つき
色濃くきめの細かいものが甘いです
驚きの
濃く深い味わい
品種は「おきつ」と「宮川」。今ではつくる人も少なくなった在来種で、小振りで、皮は固め。しかし、むくと強い柑橘の香りとともに、濃い色の房があらわれ、口に含むと甘みと酸味が絶妙の濃い果汁が口いっぱいに広がります。五感を刺激する「昔食べた本物の蜜柑の味」。食べた人のみわかる、美味しさです。蜜柑狩りのコツは「色が濃く、皮のきめの細かいものを探すといいですよ」とか。
柿狩りに蜜柑狩り
遺跡に温泉
植木業も営む南さんの美意識で、綺麗に整列した柿畑の美しさも見応えがあります。蜜柑と柿の欲張りなフルーツ狩りに、訪れる人々も大満足。朝夕の気温差が大きい高所ならではの紅葉の美しさも屈指です。番外編ですが、柿畑の奥には縄文時代の住居跡の遺跡があり、その石積みの素晴らしさも見事。近くには温泉も二カ所あり、田主丸のまさに奥の院といった風情の吉祥園です。
石積みの技術にびっくり