園主一三さんの元気にひかれ、千客万来の高山果樹園。柿も、さまざまな品種をそろえ、旬まっただ中です。「いかに、ここで遊んでもらえるかですよ」と話す一三の言葉通り、バーベキューを楽しむ人びとの笑い声あふれる中庭は、柿狩りだけにとどまらない園の魅力。周辺の農家が丹誠こめた植木や野菜も集まり、時にはじゃんけんゲームの商品になることも。最近の一押しは自家栽培の里芋で、その美味しさにファン急増中。柿から、いろんな食の話もはずみ、その話術と柿の味に、はまること請け合いの田主丸名所です。
ゆっくり試食できます
個性派揃いの柿の品種
耳納連山を背景にした柿畑の風景が美しい高山果樹園は、ぶどうの品種の多さや、春の「結麗桜」でも知られる田主丸名所の園です。柿も同じく、伊豆、西村、小春、恋姫、元山、富有柿、シブ柿の葉隠などなど、他ではなかなかお目にかかれない個性派が揃っています。来年は、さらに品種が増える予定とか。
話つきない果樹栽培の魅力
中でも「元山」は田主丸の原種で、町内にはその何百年という古木が数多くあります。昔は甘柿の名品でしたが、その価値を変わらず引き継いでいるのは、ただ一園のみとなりました。園主高山一三さんの笑いのたえない話術にぐんぐんひきこまれ、品種の特徴や歴史、果物栽培の醍醐味などに耳を傾けつつ食すと、味わいはより一層深いものになります。
自慢の富有柿です
高山ご夫妻
田主丸は
日本のコッツウォルズ
「田主丸は日本のコッツウォルズ(イギリスで『最も美しい村』に選ばれた蜂蜜色の村)になれると、僕本気で思ってますよ」。なるほど、植木苗木発祥の地でもある田主丸の山苞の道沿いは確かに人工物がなく、木々と野草、石垣の風景が広がっています。風景や農業の話になると、さらに熱い一三さんと田主丸の自然に魅せられ、農作業や山の手入れに通う都会暮らしの人々も増えているとか。
自慢の柿にジャムにタルト
通販があります
柿狩りのシーズンは、週末のみ喫茶「山苞うさぎ屋」もオープン。人気の巨峰、柿、キーゥイのジャムタルトや巨峰シフォンケーキ、巨峰カスピ海ヨーグルトなど、いずれも自家製。ジャムやタルトは柿と同じく、通販も。うさぎのマークのジャムは、甘さもひかえめで、果樹園ならではのフルーツの素材が生きた味わいです。農業を活き活きと営む一三さんの人柄と奥さまのおもてなしに、思わず時間を忘れる名園です。
巨峰ジャムと柿ジャム